幼児教育とグローバル基準の保育

幼児のファンタジーな世界と無限の可能性。小さな発見やフローの積み重ねからイノベーティブな未来を創る。有能感を持った自立した人間として、生涯を通して学び続ける資質を持って成長できるよう、今しかできない幼少期の土台作りを支援します。



電子書籍化が決まりました「世界基準の幼稚園」

著書「世界基準の幼稚園~6歳までにリーダーシップは磨かれる」の電子書籍化が決定したという連絡を、出版社から受けました。

海外に住む日本の方々から「電子書籍版はないですか?」とよく聞かれたので嬉しく思います。販売開始は7月27日(金)予定のようです。もう少しお待ちください。






給食で「日本式」を貫く困難さ

土曜日に「食育」をテーマとした、給食の試食を兼ねた保護者懇談会を開催しました。

私の園は食育の内容に興味をもって選ばれる方も多く、今では認可保育園から栄養士研修の依頼もくるようになりましたが、ここまで来るには担当職員個人の力量だけでなく、改善と調整の継続やその判断による様々な困難な過程がありました。
 
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年前、採用させてもらった栄養士の職員は偶々、自然食研究家でした。私は元々「医食同源」ということに興味があって何冊か本を読んで勉強したことがあり、また、現代の小中学生や大人における「ストレスへの不耐性」や「心と体の成長のアンバランス」、「感情コントロールの出来なさ」などは食生活とも深い関係があるのではと思っていたため、その職員にそれまで使っていた学校給食(認可保育園)ベースの献立をすべて作り直してくれないかお願いをしました。
 
しかし、献立を自然食ベースに新しくすると、最初のうちは「シンプルすぎる」「肉が少なすぎるのでは」「コクがなくて味がつまらないのでは」「もっと噛み応えがほしい」等、予想していなかった意見が職員から次々と出、そこからの改善と調整が非常に大変でした。これは保育や教育全般にもいえることですが、たとえ保護者の理解や支持があっても、子どもの様子や感覚を代弁するのは職員なのでそこを上手にまとめない限り、本末転倒となってしまいます。また、小さな違和感を放置しておくと、特に女性同士は人間関係にも影響します。
 
幸い、担当の栄養士の職員が柔軟な性格でいろいろな反対意見や提案も受け入れてくれる方だったので、修正に修正を重ねることができ、学校給食とは全然違いながらも自然食やマクロビのような一つの主義にこだわったものとも違う、洋や中の要素も入るオリジナルな献立になりました。同僚の職員や保育の職員の貢献も大きなものです。
 
一方、最も困難な壁は学校給食法の「摂取基準」を守るか、守らないかの判断にありました。著書「世界基準の幼稚園」では、コラム4「本当は難しい、和食中心のメニュー」にて掲載されていますが、和食メニューにするとどんなに量を増やしても、たんぱく質(動物性)とカロリーの数値でこの基準を満たすことができません。
 
いくら認可外で運営しているとはいえ、基準を守らないという決定をすることには覚悟がいりました。しかし、それも栄養士の職員と相談し、また、自然食や玄米食を出している園は必ずしも数値を遵守していないということも本などを通じて知り、摂取基準は参考にはするものの絶対条件としないという判断を最後には自信を持ってすることができました。独りよがりにならないよう情報開示や試食会も継続的に行ってきました。
 
そして、2013年、「和食」はユネスコの無形文化遺産に登録されました。これは、これまでのような寿司や天ぷらが有名になって評価されたものとは全く違い、“Traditional Dietary Culture”として“自然の恵みを敬う精神”“持続可能な自然資源の活用”“世代を越えて人と人をつなぐ価値”など日本の伝統的な習慣や文化的価値が評価されたものです。農水省のホームページでも、海外の人向けには“Washoku, Traditional Dietary Culture”という言葉をもって紹介されています。私の園でも海外生まれや海外在住の子がこれまで様々な国から来て同じ給食を食べていますが概ね喜んでくれています。


こうした世界の評価があるにも関わらず、国内では食糧事情が悪い時代につくられた「摂取基準」によって、子どもたちの学校給食に反映されにくいという現状は不思議なものです。

 

<食育懇談・給食試食会のメニュー>

・三分搗き米
・米粉でつくる夏野菜カレー(バター不使用)

・車麩のフライ(チーズ風味)、

・いわしの骨まで丸ごと梅煮(圧力鍋使用)

・シンプルな野菜サラダ(じゃ芋、人参、アスパラ、コーン)

ドレッシング(酢、油、塩、砂糖)

・一年醸造と六年醸造の合わせ味噌汁(野菜4種+油揚げ)

・自家製ふりかけ(削り節、しょうゆ、ごま、みりん)

・ぎょうざの皮ピザ(赤ピーマン、しらす、玉ねぎ、チーズ)

・味噌クラッカー

 



 












夏期短期水泳教室

私の園独自の方針でのプール活動を支援してくれており、著書にも書かせていただしたルネサンス経堂さんが、7月下旬から8月下旬まで3歳~8歳までを対象に短期のスイミング教室を開講します。朝8:30~9:30開催というのは、早寝早起きを実践するうえでも活動的な子どもたちにとっては有意義な時間帯だと思います。

コーチの方々も長く勤務されている方が多く、一人ひとりの成長過程を長い期間大変よくみて下さっています。少人数グループで参加しても、指導や援助をしながら頻繁に人数確認をみんなでされている姿には安心すると同時に、プロとして見習うべき基本をも感じました。ご興味のある方はこの機会にぜひ体験してみてください。

お申込み、お問い合わせは、直接クラブまでご連絡ください。
スポーツクラブ ルネサンス経堂
短期水泳教室→https://www.s-re.jp/kyodo/lp/tanki_swim/
TEL 03-5426-5080

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教育の原点

この1、2年、年長児たちの姿をみて特に驚くことがあります。小さな園児同士がひとつの遊び道具を取り合いしているのをみると、年長の園児はサッと近寄り、話し合いで解決しそうもないと判断すると、もう一つ同じ遊び道具がないか急いで探し始めます。決して「順番に使わなきゃだめでしょ」と言ったり、「悪いのはどっち?」と裁こうとしたりしません。
また、ひとつしかないものを取り合っている時は、どちらかの子にサッとそれを渡し、もう一人の子にその子が喜びそうな遊び道具を急いで部屋中から探し出して渡します。

小さな子が困っているときも、泣いているときも、その子が“どうしたいのか” “何が欲しいのか”を、年長の子どもたちはじっと観察し、言葉で探ってから対応します。決して、〇〇すべきという正解をもって指導的な導きをしません。“いつでも自分が出発点”という毎回私が説明会や講演で言っている援助のあり方が、既に職員を越えて年長児にまで浸透しているのは驚くべきことでした。年長児たちは、小さな子に対しても私たちがしがちな“チビちゃん”のようには扱わず、一人の人格(人間)として尊敬する態度をもって接していました。

年長児たちは自分が2、3歳の時に職員からそれと同様に援助されたからこそ、記憶になくても自分も自然とそれができるようになっているのですが、しかし、そのレベルが職員たちを越えてしまっています。職員も保護者もその様子には驚いています。この姿から、教育とはやはり教えるというものではなく、学ぶ側が自分で開発し、発展させていくものだと改めて感じます。

昨日は、大学・高校・中学の教職員の皆さんの前で講演をさせて頂き、他の講師の方々や参加された方々との意見交換もさせてもらいました。多くの方々が“どのようにしたら学びの場が有意義になるか” “どんな導きや教え方がよいか”に興味を持たれており、それはよいことだと思うのですが、私からすると、もう少し“子どもが何をしたいのか”に関心をもち、それを引き出すような援助や環境のあり方を考える姿勢も持ってほしいと思いました。

「生徒側に意欲がないんです」「やりたいことがないんです」という意見は、以前から中高大の先生からよく聞きます。しかし、そうであれば、生徒は毎日学校にいく必要はないかもしれません。

私の園の年長児たちは、4月、新入園の小さな子たち一人ひとりのやりたいことを見つけ出すために体も頭もフル回転させ、家に帰るとヘトヘトになって疲れていたと聞きました。もちろん、園がそのような援助を年長児に求めることは一切ありません。すべて、年長児たちが小さな友達を育てることに喜びを感じ、自主的に行っています。

すべての子どもは、自分の学びや興味を発展させる能力を本来もっています。「よい教師」「よい教材」ももちろん大切ですが、その前にやるべきことがあるのではないでしょうか。




「ごっこ遊び」は社会の縮図~大学イノベーション研究所セミナー


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私が、大学イノベーション研究所さんからの講演依頼を引き受け、是非期待に応えたいと思ったのは、実は前回、偶々聴講者として参加した際に"衝撃的なこと"に出くわしたからでした。


グローバル人材を輩出している先進的な高校がしていることが、「床で勉強してもいい」「寝そべって話し合いに参加してもいい」「先生にNOと言って逆提案する生徒たちがいる」と。北欧の学校の話ではありません。強い信念とマネージメント力のある校長先生が運営している日本のある高校の話です。

また、別の私立中学校の教頭先生の講演からは「ごっこ遊びをもっとさせるべき!」という話まで出てきました。まさか、この大学関係者が集まる場で「ごっこ遊び」という言葉が出てくるとは予想もしませんでした。この時、私は4か月後に出版される本の原稿をすべて書き終えており、“「ごっこ遊び」は社会の縮図”という項目も目次の中で決められていましたので、その言葉は特に印象に残りました。

わたしは出版後、自分が言葉を聞き間違えていなかったか、もう一度、この先生、高橋一也先生(工学院大学附属中学校・教頭)に連絡をとってみました。すると、すぐに大変丁寧なご返答をいただきました。

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「ハーバード大学の子ども発達センターの研究によると、実行機能(感情のコントロールをする脳機能)が著しく発達するのが3~5歳までと言われています。実は、子どもたちはこの実行機能を「遊び」を通じて成長させ、お互いを尊敬することや、ルールを守ることを学んでいくのです。最近では、子ども達が自由に遊べる空間も時間も少なくなり、コミュニケーションが取るのが苦手な子ども達が増えています。今話題となっている21世紀型教育の根幹は「対話」です。ぜひ、子ども時代の遊び、特に「ごっこ遊び」の重要性に気づいて欲しいと願っています。」


2年前、このブログに「幼児教育とごっこ遊び」という記事を書いたとき、“こんなこと書いても、多分、幼稚園や保育園の先生ぐらいにしか響かないだろうな”と思っていたのですが、予想は大外れであまり同じ業界からは反響がなく、むしろ社会の第一線で活躍するビジネスやスポーツのリーダーの方たち、特に男性の皆さんから大きな反響をいただきました。


6月16日の大学イノベーション研究所セミナーでは、どのような方針や援助が“光る”創造性や“強い”探究心を育むのか、「自力で壁を突破できる人間」「革新的な提案ができる人間」に育つための幼児教育の実践について紹介し、皆さまの新たな発見につながるよう努めたいと思います。


第4回 大学イノベーション研究所セミナー
【日時】2018年6月16日(土)13:00-17:00
【会場】産業能率大学自由が丘キャンパス2号館
【主催】大学イノベーション研究所(理事長:本間正人先生、所長:山内太地先生)
【テーマ】高大接続教育セミナー「創造性と探究心をどう育むか」
【予定プログラム詳細】
https://www.facebook.com/events/2015065338821186/ 
*参加は大学教職員限定のようです。ご質問があれば主催者に直接お尋ね下さい。


世界で大活躍できる13歳からの学び
髙橋 一也
主婦と生活社
2016-10-28



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橋井健司。保育士・研修指導講師。新教育デザイニング株式会社 代表取締役。社会福祉法人の監事。

著書
「世界基準の幼稚園~6歳までにリーダーシップは磨かれる」
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