幼児教育とグローバル基準の保育

幼児のファンタジーな世界と無限の可能性。小さな発見やフローの積み重ねからイノベーティブな未来を創る。有能感を持った自立した人間として、生涯を通して学び続ける資質を持って成長できるよう、今しかできない幼少期の土台作りを支援します。



アート『イメージを絵にしよう』

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3学期は4月から子ども達にしてきた成長援助が『飛躍』として形に表れる時期でもあります。日常生活で培った心の中にあるものの豊かさは言葉だけでなく、絵画や音楽表現にも表れるものであります。今日のアート活動では専科の先生がそんな時期にピッタリの絵本を持参して下さり、子ども達の個性あふれる心の中や感性のファンタジーの世界が見られました。

以下、アートの先生の活動後記をそのまま掲載します。
『ねっころがったら』という絵本をみんなで見て、み~んなで大の字にねっころがってみる。『なにか見える?』と言うと『でんき!』『えんちょうせんせい!』と元気な声、次に『じゃあ、目をとじて!』『心の中で何がみえる?』と導入する。
色々なことが自分でできるように育ってきた子どもたち。『浮かんだひとはクレパスと画用紙をとって描き始めよう!』と促すとスムーズに場所を決め、描き始める。
絵本の1ページにしたいような素敵な絵が生まれる。子どもの心の柔軟性に感激する。『きょう、たのしかったよ!』と女の子の声に『私も、○○ちゃんの絵を見て楽しさが伝わったよ』と返す。人と人の『つながり』って心を暖かくしてくれます。感謝です。

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甘えさせるのは何歳までOKか?

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「甘えさせるのは何歳ぐらいまで大丈夫ですか?」毎年よく聞かれる質問であり、親として、先生として多くの方が考えることでもあると思います。子どもが甘えてくれて嬉しいと感じるのはお婆ちゃんやお爺ちゃんが中心で、親としては子どもが甘えてばかりいれば“うちの子は自立できないのではないか”と不安になる気持ちはとてもよく分かります。

さて、異年齢が一緒に過ごす環境で子ども達の発達や成長を見守っていて興味深いことがあります。それは、小さな時に甘えんぼうの子ほどそれをしっかりと受け止められると、大きくなった時気がつけば小さな子の面倒を大変よく見るようになっていることです。だから私は甘えんぼうで少し手がかかりそうな子や普段あまり甘えない子が甘えている状態を見ると安心したり、嬉しくなったりします(笑)。幼児は環境の中に受け手がいれば甘えんぼうであるのが本来の自然な姿であり、保育所保育指針にも書かれている通り6歳でもそれに対する温もりある受容が必要です。

マズローの欲求階層説では、生理的欲求→安全の欲求→所属と愛情の欲求→社会的評価(承認)の欲求→自己実現の探求へと、欲求が高次へと移り変わる順を説明し、欠乏性のある欲求であるが故にそれが満たされないと高い欲求階層へ確実に上がっていかないことを示しています。私は、現代の幼少期の子ども達においては特に「所属と愛情の欲求」に注目しています。逆に言えば、家庭や園、社会も現代では環境的にそれに対する受容が不十分で社会的評価・承認への欲求意識づけばかりが優先しがちだからです。急ぐあまり大きくなった時に心の安定や拠り所に欠け、弱々しい意欲しか育っていない傾向にあるのが現代であると感じます。これは欲求階層説の根拠だけでなく、心の安全基地を基礎とするアタッチメント理論でも説明ができます。

シンプルに最初の質問に戻ります。「甘えさせるのは何歳ぐらいまで大丈夫ですか?」に対しての回答は『子どもが求める限り何歳まででも』です。子どもは満たされれば子どもの方から勝手に離れていき、どんどん外へ外へと向かっていきます。ある子には4、5歳であり、ある子には9、10歳かもしれません。そして正常であれば誰でも時々はリターン(幼児がえり)をします。最近では驚くことに小学校高学年の先生たちからも「子どもが抱っこして~」と言われて困ったり、持ち上げて“高い高い”をしたりすると、とても嬉しそうな顔をするという話をよく聞きます。それを聞くたびに子どもの心理における土台の不安定さを心配に思い、幼児たちにはもっともっと愛情で満たしてあげなければと感じます。

スキンシップ文化のない日本ではおんぶや抱っこ、添い寝などが母子密着の役割を果たしてきました。逆にそれらの習慣がない欧米では人前でも親子がよくハグをしたり、顔や頬をすり寄せたりと密着しています。今の日本ではかつての日本の習慣とだけでなく、欧米の習慣とも違い、身体的な密着の少なさが影響を与えていることもあるのではと感じます。

大人で魅力的な人は、格好つけずに周囲の人の力を借りられたり、自然と周囲から慕われて支援が集まるような人です。何でも自分一人でやってしまおうとする人とどちらが魅力的でしょうか。どちらが“自立している”と言えるでしょうか。どちらが社会で幸福になる確率が高いでしょうか。支援を求めることにも躊躇しない前者のような姿勢や自分は周囲からも愛されると思える自信は、他ならぬ子ども時代に甘えたい時に甘えられた経験を持っているからではないでしょうか。甘えないことを褒められて育ったような子は自分でできることが多少増えても、成長していざという時に人を頼れなかったり、自分の小さな世界に塞ぎ込んでしまったりします。
子どもが甘えてくれるのも人生の中でごく短い期間です。小学生でも恥ずかしがらずに受容をしてあげれば発達段階的にはまだ間に合います。この記事を読んで子どもが甘えてきた時に少しでも心が軽くなり、その時期を割り切って楽しもうとしてくれる方が増えれば大変嬉しく思います。


伝統文化に親しむ 「茶室での茶道」

いつもお世話になっている茶室の入口にはお正月柄の扇子が飾られていました。室内に入ると子ども達は様々な飾り物に目を遣り、「きれい~」と言う言葉が自然と多くの子から聞こえました。
「あけましておめでとうございます」と元気よく挨拶をすると、お茶の前にいただくお菓子として『花びら餅』が出されました。お正月だけに出される、ごぼうが入ったこの桃色の和菓子は子ども達に印象深いようで卒園した子たちからもそのお菓子が美味しかったという話を聞きます。その花びら餅がのったお皿は「羽子板」の形をしており、そこにも子ども達がお正月を実感するものがありました。
先生が鉄釜の前でお茶を入れる様子もじっと見ている子が多く、何回か来たことがある子たちは作法や意味にも興味を示し、自分から質問をしていました。先生の着物の柄は『雪の結晶』、ふくさには今年の干支である『羊』の絵、水差しの陶器には『七福神』、蓋は『打ち出の小槌』、室内の飾りにも『鶴』や『獅子舞』など、先生がひとつひとつ丁寧に説明してくださり、子ども達は興味津々で感動を言葉で表現する場面もありました。
茶室は季節感や文化を楽しく学べる“学びの宝庫”でもあるといつも感じます。子ども達からの気づきも沢山あり、柄杓(ひしゃく)の置物の三方(さんぽう)は「あっ、鏡餅がのっているものと同じだ」という声が出たり、先生が七福神のお話で「一人だけ女の神様がいるの分かる?」と言うと「見つけた!」と注目する等、大きな子たちは主体的な姿勢でやりとりを楽しんでいました。
茶道でもう一つ興味深いのは、例え引率した援助の先生であってもいつでも大人が優先であり、良い場所、良い茶器を提供され、順番も子どもより先であることです。私たちとしては立場上少し気後れしてしまうのですが、茶道の先生はそこは譲らず、まず私たちに丁寧な対応をし、その間子ども達はそれを見ながら待っています。日頃の園生活や活動で先生が子どもより優先で先生のために子どもを待たせることはないので新鮮でもあり、また、そのような機会も偶には子ども達にとってよいものと感じます。
抹茶は大人と同じ味でやや薄くしただけにも関わらず、みんなが「美味しい」と飲み干していました。茶筅でお茶を点てる時も力をうまく抜きながらまわすことができました。帰りには子ども達から笑顔で「ありがとうございました!」「また来たい!」という声が元気よく上がり、貴重な学びの機会に大変有難く思っています。年少の子たちは様々なことを感覚でとらえ、年中や年長の子たちはそれに意味づけや新たな気づきへと発展させる等、自ら学びを深めようとする場面が多く見られました。


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サイエンス「磁石」

大学生への指導経験もある専門性を生かし、保護者のお父様が幼児向けの「科学遊び」を企画してくれました。
今回は「磁石」を使っての遊び。
NとSの不思議な関係。くっつくものとくっつかないものがある不思議。ホワイトボードに書かれた「てつ」という不思議な存在。子ども達は興味津々でお話を聞いた後、磁石を手にしながら缶やビー玉、クリップ、プラスチック等に次々と近づけ、更に興味を広げていきました。
最も子ども達が興味深そうに扱っていたのは「砂なのに・・・不思議!」と試験管に入った砂鉄を磁石で動かしている時でした。最後は一人ひとつずつ磁石を握って部屋の中を探検。さて、くっつくものはあるか。どんなものがくっつくか。椅子や道具箱、棚、壁などみんな生き生きした表情で探していました。
多くの子が磁石のもつ不思議な性質の虜になり、終了後も講師を囲み、離れませんでした。ご多忙の中大変素晴らしい企画を提示して下さった講師お父様に心から感謝をしています。サイエンスと日常が交差するような幼少期の体験はとても貴重なものであり、今回の経験を私たちもどのような援助につなげていけるかを考え、子ども達がそれを発展させていく姿を楽しみにしています。

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クリスマス・コンサート

園児と保護者の皆さんをクラシック専門の音楽ホールに招き、ヴァイオリンとピアノ演奏によるクリスマスコンサートを開きました。茶道の先生や区議の友人も参加してくれて空間全体がいつもとは違う雰囲気になりましたが、次第に子ども達は慣れ、いつもの笑顔になっていきました。鑑賞マナーでは演奏する先生から「音楽を感じて子供らしく体が自然に動いたり、立ち上がったり、口ずさんだりするのは構いません」と伝えられ、子ども達がその発達段階に合わせて自然と音楽を楽しめるようにしました。

<ヴァイオリン演奏> 信田恭子先生
    ボッケリーニ:メヌエット
    モンティ:チャールダーシュ
    ジングルベル

<ピアノ演奏> 小林洋先生(ピアノ教室 ぴあちゃ成城・調布)
    ショパン:子犬のワルツ
    赤鼻のトナカイ~きよしこの夜~赤鼻のトナカイのメドレー 

美しいヴァイオリンの音色が奏でると室内の雰囲気は一変し、演奏の中の世界に入っていくようにうっとりした目をしている子、足を振ってリズムをとっている子や腕を上げてヴァイオリンを弾いている真似をしている子もいました。3曲目の「ジングルベル」が流れるとクリスマスの雰囲気が一気に盛り上がり、子ども達の気分もウキウキとのってきました。
次のピアノの演奏鑑賞は「ピアノの先生がいない!どこ?みんなで呼んでみよう!」という設定から始まり、サンタクロース姿で現れたピアノの先生がプレゼントを子ども達に渡してくれました。ひげを生やしたサンタクロースがそのまま優雅にショパンを弾く姿に子ども達は自然とピアノの周りに集まり、ムードも高まりました。
最後はお礼として子ども達が「やったーサンタがやって来る」を前に出て歌ってくれました。このための練習は一度も行いませんでしたが、みんな大きな声で歌いながら身振り手振りを大きくつけて表現し、生き生きとした姿を見せてくれました。子どもらしく音楽を楽しもうとする自然な姿、毎年の通り本番に強く堂々と自己表現できる園児たちの姿には大変感動もしました。子ども達が家族と一緒にクラシック音楽に親しみを感じてくれれば嬉しく思います。きっと本物のサンタクロースがクリスマスの日にはみんなのお家に来てくれることと思います。

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カルラ・ホール(東京都世田谷区経堂)




author

橋井健司。保育士・研修指導講師。新教育デザイニング株式会社 代表取締役。社会福祉法人の監事。

著書
「世界基準の幼稚園~6歳までにリーダーシップは磨かれる」
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