幼児教育とグローバル基準の保育

幼児のファンタジーな世界と無限の可能性。小さな発見やフローの積み重ねからイノベーティブな未来を創る。有能感を持った自立した人間として、生涯を通して学び続ける資質を持って成長できるよう、今しかできない幼少期の土台作りを支援します。



アート 『実りの秋』を表現する

専門の先生の活動後記をそのまま掲載します。

「導入の段階で『りんご・かき・洋ナシ・黒豆(黒さや)・かぼちゃ・ぶどう・からすうり・ざくろ』など、今、旬でおいしい物を取り上げ、子ども達と会話しながら部屋の真ん中に並べてみる。お天気にも恵まれ、心地よい季節感も子ども達に手伝ったよう。どの子も楽しそうに描いていた。朝、元気のなかった子も、今まで早く終わらせていた子どもも、体験で参加した子も落ち着いて、集中していました。
ファーストクラスルームそのものが充実期をむかえているよう体感しました。どの子も大きな声でお話し、絵にも積極性が見られました。」


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登山 パート2 『飯山白山・桜山』

「写真撮って!」と普段撮影にあまり興味を示さない年長の子が、山頂に着くと紅潮した表情でポーズをとり、自分から言ってきました。

年長の活動として2回目の登山にて東丹沢まで行きました。雨で2回延期したので待ちに待った日です。保護者さんに相談してトレッキングシューズも用意してもらいました。シューズの効果は安全対策として絶大で、地面から全く足元が滑らず安心して登山に集中できました。
1回目の5月の時は100mの枡形山、10月の今回は300mの飯山白山・桜山で、200m高いので途中「疲れた~」「歩きたくない~」という言葉が子どもから出ることも十分に想定していましたが、一度もなく、勇ましく登っていく姿に春からの大きな成長を感じました。特に途中少し休んだだけで(楽しみにしていたお菓子タイムで)、体力を一気に回復して再び勢いよく登り始める姿は驚きにも値するものでした。お弁当やレインコート、着替えなどでそれなりに重いリュックも最後まで自分で背負って登りました。
頂上に着くと雄大な景色を見下ろし、自分たちがバスで通ってきた道路が遥か遠くに見えることが分かりました。その達成感に満ちた歓喜の表情は今までに見たことがないほどの輝かしいものでした。自分の足で300mを登り歩いて見下ろす景色は、飛行機やロープウェーから見下ろす景色とは見え方が全く違ったことと思います。
自然散策も楽しいものでした。珍しい木の実を採集しながら昆虫を見たり、少し不気味な野生のねずみの死骸に出会ってしまったり、非日常的な体験ができました。また、頂上で出会った高齢者の方々からお菓子をもらって会話する等、登山ならではの人間交流もありました。下山する際には神社やお寺があり、園児からは「次の高尾山も晴れますように!」と言う声が聞こえ、早くも次のことを考えている様子も頼もしいものでした。
翌日は、参加した年長の子が年下の園児たちの前で登山の体験のお話をしてくれました。年下の子たちはいつも通り興味津々で静かにお話を聞き、将来の自分の姿を想像しているような顔をしていました。最後となる次の3回目は「高尾山(500m)」を選びました。最初から高尾山でも登れるコースはあるのですが、100m→300m→500mと積み重ねる達成感を体験してもらいたいと思い、最後にしました。今回の様子から、紅葉がきれいな最難関のコースで登ってみようと計画しています。


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◎この記事を読んで「飯山白山・桜山」に子どもと登ってみようとされる方
今回のコース:バス停「尼寺」→扇の広場→桜山→白山神社→白山→「男坂」→長谷寺・飯山観音→バス停「飯山観音前」
バス停を降りるとコンビニ、売店などはなく、飲み物も購入できる場所はありません。トイレ、水道は下山するまで1ヶ所のみで頂上にもありません。(頂上でゆっくりし過ぎると特に大人の方(女性)はご注意下さい) 「女坂」コースは傾斜は緩やかですが、崖沿いが多く、道が細く滑りやすい箇所がいくつかあります。
ガイドには「初心者・ファミリー向け」として案内されており、ハイキングクラスの低い山ですが安全柵などはなく、コースも特に子ども向けに配慮はされておりませんのでお子様と一緒に登る際は下見をされてからをお勧めします。



巧緻性と表現力

2学期に入ると1学期は折り紙に興味を示さなかった子が、興味を示して意欲的に参加するようになったり、より複雑なものを折ったり、そして絵画と組み合わせた時の表現力も幅が広がっている姿が目立ちます。

巧緻性も表現力も反復練習だけではそれほど伸びません。例えば、折り紙で“どんぐりを折ってみたい”という意欲の背景には、外遊びで秋の自然に触れる機会が充実したり、季節の歌を楽しい雰囲気の中で歌ったり、身体で表現していることが関係しています。自分で折った作品を画用紙に貼ってクレパスで絵を描く時には、季節の歌を唄いながらや自分で考えた物語をぶつぶつ言いながらの姿があり、描き始めた時点から素晴らしい作品が出来上がる雰囲気があります。傍で見ていてもとても気持ちがいいものです。
最近では特徴を出すためにひとつの分野に力を入れたり、反復練習ばかりを優先したりする園もありますが、幼児教育で大切なことは幅広い体験活動から自発的に積み重ねていけるものの中にあります。
また、活動時に力を発揮できるかどうかは“自由時間のあり方”にもあります。1学期と2学期では子ども達の関心も変化しており、遊びに関する環境設定や援助のあり方も変える必要があります。日本の大人数教育環境で育つと自由時間は発散する時間と思いがちですが、子どもは本質的に遊びと勉強の境界線はなく、自由時間に提示活動以上の成果を上げてしまうことは日頃から頻繁にあります。世界の少人数教育と比べて大きな差がついてしまうのが、生活を含めた自由な時間や空間での援助のあり方にあることと思います。一年中、活動と言えば行事の練習ばかりしていて自由時間は発散の時間と考えているような日本とは、幼児の段階でかなりの差がつきます。

今月から、秋の過ごしやすい時期を捉えて朝早くから公園へ行く日には、先生たちが公園で朝のお話をし、みんなで季節の歌を唄っています。ピアノがなくても、椅子で整列させなくても、子ども達は意欲的に参加しています。

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サイエンス|皆既月食

「赤くなった後、雲がいっぱいで見えなくなった」「少しだけ光ってた」「お月様、黒っぽかった」「雲でお月様がいなかったから、テレビでみた」など、皆既月食の翌日、多くの子ども達が夜空を見上げた様子を先生にお話していました。中には1時間ぐらいの変化を順番に細かく言葉で表現している子もおり、驚きました。みんなで同じ空を見てもそれぞれ感じ方が違い、自分の心で感じたことを言葉にして伝える様子はとても嬉しい姿でした。好奇心にあふれる豊かな表情も印象的でした。保護者の皆さんのご協力にも大変有難く思います。
2週間ほど前、理科の先生をしている卒園児のお母様より「10月8日に皆既月食があります」という連絡をいただき、スケッチシートを届けて下さいました。これは素晴らしい機会と思いながら直前にスポーツ行事があり、8日当日は「稲刈り活動」もある中、月食を見るのは家庭でということもあって、ついつい準備が後になってしまいました。それでも担任の先生が前日夜に内容をまとめ上げてくれて、当日に子ども達にお話することができました。もちろん幼児に対してなので難しい説明は省いて月の形や色が短い間に変わる、不思議なことが起こるということだけなのですが、十五夜で「お月様」に対する興味を広げた子ども達は興味津々でした。
月食の翌日の子ども達の言葉を聞き、表情を見て、本当に取り上げて良かったと思いました。「不思議!」「なぜ?」と思ったことが、やがて次の関心へと広がっていく様子を卒園した子達からも多く見て来たのでとても楽しみに感じます。様々な行事や活動がある中、幼児に対して「皆既月食」まで取り上げようとは時間的にも中々届かないので身近で提案して下さる方がいるのは大変有難いものと感謝しております。次回の皆既月食は2015年4月4日のようです。進級や進学した子たちの気づきや着眼点がどのように変化しているかを、皆さんも楽しみにして下さればと思います。


自然と子ども|稲刈り

田植えに続いて稲刈りに今年も年長と年中の園児が参加しました。東京23区の中で1,500平米もの水田があるのはごくわずかのようで貴重な体験となっております。

田植えの時から自分の背丈以上に大きくなった「稲」を見ると驚きの表情を見せながら、利き手にカマをもち、もう片方の手で稲をつかみました。最初は恐る恐る手を動かしながら中々刈れないのが、慣れてくると手に力を入れてゴリゴリと根っこから素早く刈り取ることができました。最後の方は余裕で、少しでも援助しようとすると、「自分でやる!」と頼もしい限りでした。園で前日に図鑑を見ながらお話した「稲穂を踏んでしまわないこと」「カマは危ないので丁寧に扱うこと」等の注意事項もよく覚えてくれていました。

稲刈りは10分ほどで終わり、子ども達にとっては隣の「山」や「沢」でたっぷり遊べることが最大のお楽しみのようです。水の音、自然の香り、土の感触などを感じながら、山を駆け回り、転がり、自分も自然の一部となりながら存分に遊んでいます。どんぐりは様々な種類が大量に山に散りばめられており、少し活発に走って遊んだ後は袋を持って静かに収集に夢中になっています。毎年この日は園に戻ると普段あまりお昼寝をしない大きな子達も自分から寝ています。今年は更にザリガニ釣りも子どもの要望によって行うことにし、道具とえさを準備しました。棲みかを見つけたり、タイミングを見ながら引く力を加減するのは中々難しいのですが夢中になっていました。その最中にも沢山のアメンボを見つけて興奮していると、田んぼからはカマキリ、キリギリス、コオロギなど、次々と虫がパレードのように表れ、その度に子ども達の目は輝きました。

幼い時に感じた自然の香りや音、感触、生き物の動きなどは、幼い今、尋ねても言葉で上手く表現できないものですが、ずっと覚えているものであり、大きくなった時に記憶から言葉でも引き出されます。社会から自然が失われる中で子ども達の感性も失われないように、貴重な自然環境の保全に感謝しながらその体験を大切にしていきたいと思います。

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author

橋井健司。保育士・研修指導講師。新教育デザイニング株式会社 代表取締役。社会福祉法人の監事。

著書
「世界基準の幼稚園~6歳までにリーダーシップは磨かれる」
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