幼児教育とグローバル基準の保育

幼児のファンタジーな世界と無限の可能性。小さな発見やフローの積み重ねからイノベーティブな未来を創る。有能感を持った自立した人間として、生涯を通して学び続ける資質を持って成長できるよう、今しかできない幼少期の土台作りを支援します。



サイエンス「磁石」

大学生への指導経験もある専門性を生かし、保護者のお父様が幼児向けの「科学遊び」を企画してくれました。
今回は「磁石」を使っての遊び。
NとSの不思議な関係。くっつくものとくっつかないものがある不思議。ホワイトボードに書かれた「てつ」という不思議な存在。子ども達は興味津々でお話を聞いた後、磁石を手にしながら缶やビー玉、クリップ、プラスチック等に次々と近づけ、更に興味を広げていきました。
最も子ども達が興味深そうに扱っていたのは「砂なのに・・・不思議!」と試験管に入った砂鉄を磁石で動かしている時でした。最後は一人ひとつずつ磁石を握って部屋の中を探検。さて、くっつくものはあるか。どんなものがくっつくか。椅子や道具箱、棚、壁などみんな生き生きした表情で探していました。
多くの子が磁石のもつ不思議な性質の虜になり、終了後も講師を囲み、離れませんでした。ご多忙の中大変素晴らしい企画を提示して下さった講師お父様に心から感謝をしています。サイエンスと日常が交差するような幼少期の体験はとても貴重なものであり、今回の経験を私たちもどのような援助につなげていけるかを考え、子ども達がそれを発展させていく姿を楽しみにしています。

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クリスマス・コンサート

園児と保護者の皆さんをクラシック専門の音楽ホールに招き、ヴァイオリンとピアノ演奏によるクリスマスコンサートを開きました。茶道の先生や区議の友人も参加してくれて空間全体がいつもとは違う雰囲気になりましたが、次第に子ども達は慣れ、いつもの笑顔になっていきました。鑑賞マナーでは演奏する先生から「音楽を感じて子供らしく体が自然に動いたり、立ち上がったり、口ずさんだりするのは構いません」と伝えられ、子ども達がその発達段階に合わせて自然と音楽を楽しめるようにしました。

<ヴァイオリン演奏> 信田恭子先生
    ボッケリーニ:メヌエット
    モンティ:チャールダーシュ
    ジングルベル

<ピアノ演奏> 小林洋先生(ピアノ教室 ぴあちゃ成城・調布)
    ショパン:子犬のワルツ
    赤鼻のトナカイ~きよしこの夜~赤鼻のトナカイのメドレー 

美しいヴァイオリンの音色が奏でると室内の雰囲気は一変し、演奏の中の世界に入っていくようにうっとりした目をしている子、足を振ってリズムをとっている子や腕を上げてヴァイオリンを弾いている真似をしている子もいました。3曲目の「ジングルベル」が流れるとクリスマスの雰囲気が一気に盛り上がり、子ども達の気分もウキウキとのってきました。
次のピアノの演奏鑑賞は「ピアノの先生がいない!どこ?みんなで呼んでみよう!」という設定から始まり、サンタクロース姿で現れたピアノの先生がプレゼントを子ども達に渡してくれました。ひげを生やしたサンタクロースがそのまま優雅にショパンを弾く姿に子ども達は自然とピアノの周りに集まり、ムードも高まりました。
最後はお礼として子ども達が「やったーサンタがやって来る」を前に出て歌ってくれました。このための練習は一度も行いませんでしたが、みんな大きな声で歌いながら身振り手振りを大きくつけて表現し、生き生きとした姿を見せてくれました。子どもらしく音楽を楽しもうとする自然な姿、毎年の通り本番に強く堂々と自己表現できる園児たちの姿には大変感動もしました。子ども達が家族と一緒にクラシック音楽に親しみを感じてくれれば嬉しく思います。きっと本物のサンタクロースがクリスマスの日にはみんなのお家に来てくれることと思います。

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カルラ・ホール(東京都世田谷区経堂)



異年齢教育環境という“グルーヴ”

異年齢合同で過ごすことのメリットのひとつに自分と向かい合うことができ、自分自身で課題調節がしやすくなる(メタ認知)という効果があります。子どもには習熟度や興味において必ず個人差やタイムラグがあり、同年齢集団だけでいると他人より遅いものがそれを意識してやがて苦手意識が芽生えてきて興味を失ったり、意欲を低下させたりする様子が見られます。一方、日常的に異年齢で過ごしているとそれが目立たないせいか他人と同じようにいかなくても自分なりに自分のペースで向上させ、意欲が下がらず、結果的にどの分野も苦手意識を持たないという様子が見られます。自分を肯定できるグルーヴ(溝)を子ども自身が異年齢という集団の中で見つけています。このあたりは保育方針による影響も大きなものですが、一方で本能的に“人より勝りたい”という気持ちは子どもでも誰にでも共通するものですのでそこを如何に上手く集団としてモチベーションが下がらないようにしていくかはクラスマネージメントの大事な点だと思います。

子どもには無限の可能性があると日々感じていますが、それは子ども自身が内発的に意欲を発揮できる環境があって初めて成されるものと感じます。異年齢環境には下の子が上の子から学ぶという単純な図式だけでなく、互いに補完し合いいつでも意欲が高く、挑戦的でいられるということも大きなものとして存在しています。
時々「異年齢環境のデメリットは?」と聞かれますが、それは運営面で発達段階をよく理解している教諭や保育士が配置されなければならないこと、全体を見られる人が必要なこと、及びある程度少人数環境でなければならないことと答えています。現在、一般的に異年齢と言えば社会性の向上を目的に行事の際の交流が主流ですが、これから何年後、何十年後かには授業などアクティビティの成果向上においても徐々に浸透していくことと思っています。



アート作品展

子ども達の光る個性と独創性が保護者の皆さんに見られる機会としてアート作品展を開催しました。子ども達には協働する本当の喜びも感じてもらいたいと思い、特に年長や年中は数週間かけての共同制作も実施しています。共同制作の喜びとは、みんなが少しずつ遠慮や我慢をして成し遂げるものではなく、一人ひとりが自分なりの表現を持ち合い、互いのアイデアに共感し合いながら集合体となることによって一人では生み出せない大きな価値を創ることにあります。自分なりの表現を発揮しながら共通の喜びや感動を得られるか、子ども達も、先生も一緒に試行錯誤しながらプロセスを大切にした活動を続けて参りました。
個人の作品では年長や年中はスパッタリングやステンシル、フロッタージュなど様々な表現技法を体験したものも展示しました。年長は釘と金槌を使っての木工作品も展示し、いずれも何を作りたいか、どんな表現をしたいか、子ども達の意思を大切にしながら担任や講師の先生たちが援助してきました。共同制作では立体で子ども達の身長より高い大きな人形を3週間かけて完成させました。制作の過程では話し合いによって新たな趣向や材料も加わり、創造活動では常に新しいアイデアが必要ということもよい経験になったことと思います。年少と年少々も紙粘土に自然素材や布、ボタンを組み合わせた立体の人形やデカルコマニーなどの絵画など、それぞれが自分なりの表現をすることを大切に、活動を楽しく重ねてきました。
保護者の皆さんには日頃から大切にしているプロセスも感じてもらえるよう、担任の先生たちが活動時における子ども達の努力の過程やその写真を作品と共にメイキングのような形で表現して展示しました。
作品づくりの過程では、先生たちは「ママにいいもの見せようね」等、外発的な動機づけで働きかける言葉は使わず、内発性だけを重視して子ども達に主体的な意欲が湧くよう導入のしかたや集中できる環境づくりなどで一人ひとり工夫をして援助をしてきました。
当日は多くの子がママやパパに共感してもらうことでとても嬉しそうな表情をしており、年長や年中の園児は自分の作品のストーリーを意欲的に説明している姿が目立ちました。午後にはアートの先生が来園し、年長さんが自主的に説明役を果たす中で年下の子たちも先生を取り囲んで自分の作品を嬉しそうに紹介していました。
保護者の皆さんも熱心に作品のひとつひとつを観て下さり、「みんな個性的」「想像力が凄い」「年長になるとあんなに出来るんですか」等、嬉しい言葉をたくさん頂戴しました。異年齢のクラスルームならではの年齢が上がるごとに表現力やその幅が発展的に広がっていく様子も伝わったようであれば嬉しく思います。

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スコットランド文化に親しむ

スコットランド出身の園児ご家族の協力により、今月の“セント・アンドリューズ・デイ”に合わせて子ども達がスコットランド文化に触れる機会を持ちました。前日に担任の先生がスコットランドと日本の国旗づくりを活動として提示し、当日はチェック柄の服がある子は着て来てもらいました。異文化体験の日はゲストが到着すると旗を振ってみんなで歓迎します。今回は、スコットランド人のお父様が有名なスカートのような民族衣装「キルト」と蝶ネクタイ、「スポーラン(ポシェットのようなもの)」を身につけて登場してくれました。「キルトは(日本の家紋のように)家ごとに色模様が代々伝わるもので好きな色を選べるのではないのです」ということには私達職員も今回初めて知りました。格調高い本物の素材感に子ども達もむやみに手で触ったりせず、「スカートみたい!」と言いながら興味津々でした。
まず、PCからプロジェクターでスクリーンに投影し、スコットランドの場所、気候、動物などを説明してくれました。年長と年中は前日のミーティングで質問してみたいことを話し合い、スコットランドは寒いのか暖かいのか、新幹線は走っているのか等子どもらしい興味が反映されていました。説明はお父様がすべて英語でお話し、続いてお母様が所々日本語に訳して進行しました。「エディンバラの城」は童話の世界にも出てきそうな光景で皆さんうっとりと観ていました。
続いて“Dance Time!”が盛り上がりました。”What’s the time, Mr. Wolf ?” と“Scottish Country Dancing”。手をとりあってのダンスは子ども達にとってはとても楽しいもので「もう一回!」というアンコールの声が何回もかかりました。What’s the time・・は日本の“だるまさんがころんだ”に似ており、数字を数えながら体を動かすゲームなので特にみなさん気に入ったようでした。
最後はいつも楽しみにしてくれる給食です。できるだけ本物に近く、でも出来るだけヘルシーに、幼児にとって「美味しい」という状態で出すことが基本なので毎回入念に打ち合わせをして進めます。今回もメニュー案を進行のご家族に提示してもらい、栄養士の先生と材料や組み合わせ、調理方法を調整しながら準備しました。押麦がたっぷり入ったスープの「スコッチブロス」はとろみがあって普段とは違う食感を楽しんでもらい、フィッシュ&チップスもパン粉を使ったフライではなく、お勧めに従って日本のてんぷらのように小麦粉をベースに片栗粉を混ぜて少しクラシックな感じで味わってもらいました。
子ども達は見て知識を得ただけではなく、体を使ってダンスを踊り、ゲームで動き、そして食事で味わい、五感をフルに使って異文化への興味を楽しみながら深めてくれたことと思います。語学で言葉を話せるようになっても、人と深く理解し合ったり、認め合ったりするには何より“違いに興味があり、親しめる”ことが大切ですので幼児期の体験は将来のために必ず役に立つことと思います。お世話になったご家族に心から感謝しております。
“世界のどこでも、誰とでも関係を築ける子に”・・・次は2月に中国文化に親しむ機会を“春節”に合わせて計画しています。こちらも園児のご家族に協力をお願いしており、とても楽しみです。

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橋井健司。保育士・研修指導講師。新教育デザイニング株式会社 代表取締役。社会福祉法人の監事。

著書
「世界基準の幼稚園~6歳までにリーダーシップは磨かれる」
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