幼児教育とグローバル基準の保育

幼児のファンタジーな世界と無限の可能性。小さな発見やフローの積み重ねからイノベーティブな未来を創る。有能感を持った自立した人間として、生涯を通して学び続ける資質を持って成長できるよう、今しかできない幼少期の土台作りを支援します。



幼児のサイエンス「からだの内側の探検」

毎年、保護者さんの中で医師をされている親御さんにお願いし、子ども達が興味を持っている“からだの内側を探検する”機会を持たせてもらっています。今年は、年少の園児のお父さん、お母さんがお二人でお医者さんの白衣を着て、子どもたちの前でからだの中のことについて図鑑や絵本を手にしながらお話をしてくれたり、聴診器を持参して子ども達が自分や友達、先生の心臓の音を聞き合えるようにしてくれました。

いくつか持参いただいた聴診器で子ども達が“ドックン”“ドキドキ”という音が聞こえたと確認し合う中、年長児から「僕は“スースー”って聞こえた!」と違う意見が上がり、先生が場所(心臓・肺・腹)によって違う音がすることを丁寧に説明してくれました。そうなると、子ども達の好奇心はみるみる広がり、年少の子たちまで含めて「お尻は(聴診器あてても)音がしない!」「足はする?」「頭は音がするの?」等、次々と展開されていきました。聴診器で自分や友達の心臓の音を毎年聞かせてもらっておりますが、場所によって音が違うことまでみんなで発見できたのは初めてでしたので驚きました。年長の子が人と違う自分だけの意見を堂々と言ってくれたことで参加している全員の興味レベルが上がり、発想も広がりました。人と異なる意見を堂々と言える雰囲気作りの大切さを改めて感じました。

子ども達から先生への質問では「なぜ人間には骨があるのか」「なぜうんちはでるのか」「なぜ男の人は赤ちゃんを産めないのか」「なぜ人間は足があるか」等、大変興味深いものばかりでした。毎年、赤ちゃんの誕生に関した質問が出るのも興味深く思います。先生はとても分かりやすく、ゆっくりと丁寧に答えてくれました。

6月に行った「歯について学ぶ」体験活動では、子ども達はそれをきっかけに見通しが持てるようになったためか、今でも虫歯になりたくないという意欲を強く維持できるようになったり、自主的に歯磨きをしたりする姿が増えました。単にお医者さんではなく、“友達のお父さん、お母さん”がそれをしてくれたというのも子どもにはかなり影響力があったと思います。体験はそのもの自体も素晴らしい価値を持ちますが、その後の日常生活や保育活動をどのように意識して展開していくかで子ども達の思考力や想像性の広がりは全く違いますので今日の機会も明日以降のあり方を大切にしながら、子ども達からどんな発想や興味の発展が出てくるか楽しみにしたいと思います。

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豪快に遊ぶ「水遊び」

数年前、手洗い場(室内)で水遊びをしては注意され、それでもしてしまう子たちを見て“堂々と出来る場を保障してあげよう”と、自由に思い切り水遊びができる場として、プールとは違う子どもの楽しみを(教育課程の中の)活動として取り入れることにしました。

「動」の時間に活発に遊ぶ子ほど、「静」の時間(机の上の学習や集まりの時間)に姿勢正しく話を聞き、集中力も持続します。子どもが子どもらしく、思いきり遊べる場を保障することでメリハリのある一日が創られます。

今年も園児たちは洋服をビショビショにしながら、全身で水遊びを楽しみ、遊んでいる最中は生き生きとした表情をしていました。園に戻ってからは全員で着替えを行い、脱いだ服を自分で積極的に管理しようとする成長した姿も見られました。夏は開放的な体験を積み重ねて豊かな感性を育んでもらいたいと思います。

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温もり器と版画展

アート活動でお世話になっている先生の個展が開催されます。いつも子どもから自分なりに表現する楽しさを引き出しながら、時に子どもが気が乗らない時には手を休ませ、じっと見つめているものに視線を一緒に寄せたり、発する言葉に耳を傾けたりして子どもの自立を私たちと共に見守ってくれる先生です。



『温もり器と版画展』 神林茶子

日時:7月15日(火)~20日(日) 10時~18時

会場:清川泰次記念ギャラリー(小田急線「成城学園前」駅 南口から徒歩3分)東京都世田谷区成城2-22-17http://www.kiyokawataiji-annex.jp/


 



七夕の日

毎年、七夕の日に飾る笹を近所の方からいただいており、七夕会には招待をして子ども達と地域の方々との触れ合いや交流にもつなげています。先生が「七夕の歌をおじさんにプレゼントしましょう」と言うと、いつもはよくふざけなげら、大きすぎたりする声で歌っている園児たちが実に姿勢正しく丁寧に、みんな揃って歌い、見事な調和でした。時々公園に行く途中で優しく手を振ってくれたり、手にタッチしてくれたりする、子ども達もよく知っているおじさんなので“歌をプレゼントしたい”という心がこもったものと思います。

歌の後は「リトミック」を行いました。七夕にちなんで「☆」のマークの飾りを子ども達は頭に巻き、カスタネットや鈴を持ちながら「きらきら星」の歌に合わせて即時反応を楽しみました。高い音は空に向かって手を伸ばしてきらきらと、低い音は雷として頭を抑えてしゃがみ込みました。笹をいただいたおじさんにも参加してもらい、子ども達は笑顔で自分たちから近づき、その優しさに包まれるように触れ合いを楽しみました。

リトミックの後は先生による織姫と彦星のペープサート劇を鑑賞しました。今日は天気が雨のため、天から流れる「織姫の涙」は子ども達の印象に強く残ったものと思います。みんなとても静かに座って真剣にお話を聞いていました。

最後は、短冊に願い事を年上の子は自分で書き、年下の子たちは先生と一緒に書きました。笹飾りもマジックや糊、はさみを使って工夫しながら作りました。子ども達が書いた願い事は一人ひとり自分らしく、優しい気持ちが育まれていること等も感じられました。「七夕」の日を通じて、地域との交流、リトミック、お話を静かに聞くこと、工作など様々な学びの機会へとつなげました。

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貴重な夏 「子どもらしく」

7月が始まりました。夏は子どもにとって刺激の多い季節であり、ひとまわり成長する時期でもあると言われます。日本の子ども達は日頃から「子どもらしく」過ごせていますでしょうか。現在の日本の教育は小学校や幼稚園まで大学や高校、中学の受験制度やそれに基づく授業スタイルによって“扱いやすい子”を求め、“扱いやすいようにしていく”のが一般的に現状だと思いますが、社会に出てから活躍できるのは「子どもらしさ」を持っている人と業種を問わず、多くの成功者は言います。

私が大切に考えている「子どもらしさ」とは、“子どもは勉強なんかせず、遊んでいればいい”と言うものとは違います。「子どもらしさ」とは、『思考』『発問』『表現』などにおいて、子どもらしさがあるかどうかということです。社会はもはや普通に頭のいい子や小じんまりしたできる子が大人になった人間像よりも、強い個性やイノベイティブな能力をもつ子が成長して至る人間像の方を求め、子ども達が大人になる将来においては一層それが条件になると様々な分野で様々な識者やリーダーが言っています。日本の学校現場が量産的に生み出している人間像とはかなり距離があると危惧している人も少なくありません。

子どもの思考、子どもの発問、子どもの表現は一人ひとり個性的で、イノベイティブな発想に溢れていて大きな可能性を持っています。私の園では7、8月には外からもサマースクールとして多くの子が参加してくれますが、たとえ日常のありふれた生活の中からでも“子どもらしさ(思考・発問・表現)”を引き出すことは可能であり、短期間では制限もありますが少しでも多く、それを持ち帰ってもらいたいと思っています。




author

橋井健司。保育士・研修指導講師。新教育デザイニング株式会社 代表取締役。社会福祉法人の監事。

著書
「世界基準の幼稚園~6歳までにリーダーシップは磨かれる」
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