子ども達の自立に欠かせない「温もり」や「愛情」の正体とはどんなものでしょうか。毎年9月に敬老の日に合わせて祖父母の皆さんに来園していただく交流行事を楽しみにしております。園の中は“見返りを期待しない温もりや愛情”、そして“余白”によって和みの空間に包まれ、子ども達に安心とリラックスした幸せそうな笑顔が広がります。

今年も手や体を触れ合うゲームで園児と祖父母の皆さんとが和気合いあいと過ごし、おはじきやめんこ、ダルマ落し、お手玉、コマ等の昔の遊びも一緒に楽しんで盛り上がりました。また、ギターを披露してくれるお爺様やそろばんを持参してくれるお婆様もいて楽しませていただきました。昔の遊び道具には、日頃耳にしない独特の「音」があることも子ども達や先生が感じ、新鮮な発見になりました。また、ダルマ落しもコマ回しも、めんこも、おはじきもそれなりに身体の細部に瞬間的にかなりの力を入れたり、抜いたりしなければならず、どれも現代の子ども達が苦手とする手指の細かい動きと関係しているようにも感じました。


“見返りを期待しない愛情”や“余白”は、子ども達に勇気や強さも与えます。今回の行事でも、当日の朝になって「私の好きな歌をプレゼントしたい」と一人で歌う子が出たり、園を代表しての初めての挨拶を大きな声で言える子達が現れたり、年少の子達から新しい姿が見られました。また、年長児からも手作りのプレゼントを一人ひとりへメッセージを変えて作りたいという要望が事前にあり、当日渡してもらいました。

見返りを期待しない愛情を与えるということは親の立場では難しく、出来なくて当然のことであり、保育の専門職でも余程の経験を積まないとこの域には達しないと思います。私の周りにも職員や講師を含めて60代や70代の先生たちがおりますが、大変学ぶことが多く、憧れの気持ちも抱きながら勉強させてもらっています。保育理念を実現する上でもこの世代の方々の協力は欠かせないと感じています。

いつまでも元気に過ごされ、子ども達を温かく見守りながら、経験から自然と出る手本を私たちにお示しいただければと思います。それが自然と子ども達に「敬老」の意識へとつながり、これからの超高齢化社会を生き抜くヒントにもなれば尚嬉しく思います。