・日本人よ、恐れることなかれ!世界の英語はいい加減だ 
・海外では間違いだらけの英語が当たり前
・適当な英語でも仕事は回っており、お金を稼いでいる人は大勢います。そんな人々でも企業の管理職をやっていたり、なんとネイティブに指令を出して仕事をしたりしていいます。人によっては年収数千万円という大金を稼いでいる人もいます。
・9割の人に必要な英語はハイレベルなものじゃない
 【国連でも通じる世界の非ネイティブ英語術(著者:谷本真由美さん)】より

上に書かれていることは大袈裟に聞こえるかもしれませんが、私が15年ほど外資系企業にいてビジネスの場で体験したこととほぼ同じであり、大変共感しながら読ませてもらいました。ぜひ高校生ぐらいのうちにこの本を読んで、自信を持って英語に向かい合い、そして“語学以外の大切なことで”自分を磨いてほしいと思いました。


英語は “ネイティブスピーカーがいない言語”
この本の冒頭に、「英語は現代のLingua Francaであるということです。Lingua Francaとは、母語が異なる人々が意思疎通をはかるために使用する言語のことをいい、一般的にはネイティブスピーカーが存在しないことになっています。」という興味深い説明があり、「世界で英語を話す90%は英語ネイティブではない」という事実を紹介しています。私も、世界の様々な国の人たちと仕事をする中、多くの人たちが自国の訛りのある英語を堂々と話し、また、母語での価値観に基づいた英語を話しているということを実感してきました。英語に決まった形式(正しい形)はないとさえ言っても、許される環境でもあります。
日本の「学校英語」「受験英語」の勉強を続けていると、“様々な種類の難しい文献や記事を理解して、文法的に正しい英語を話せなければ世界では通用しない”と錯覚してしまいます。通訳や翻訳など語学の専門家になるのであれば別ですが、この本に書いてある通り「9割の人に必要な英語はハイレベルなものじゃない」「英語がヘタクソでも世界で活躍する人々」が現実であり、本当は私たちも日本語なまりのある下手な英語を堂々と話して何も馬鹿にされません。意思や意図が通じることが重要であり、特に異なる国の人たちが集まるような場では英語に道具以上のものは期待されません。(下手な英語で馬鹿にされるとすれば同じ日本人からであり、そういう人こそ馬鹿だと思って無視していれば大丈夫です。笑)


英語が上手でも話を聞いてもらえない人
会議をすると、どうでもよい退屈な話を長々とする人は日本だけでなく、海外にも結構います。しかし、そういう人はどんなにネイティブ英語を上手に話しても、ほとんど誰も内容を聞いていません。困ったことに組織の幹部や役員にもそういう人がいますが、そういう時も“止めると後で面倒くさいから、話したいだけ話させておこう”と共通認識で話させておくだけです。誰もその人の話を聞いていません。逆に、英語が上手でなくても、“アイツはいつも素晴らしいアイデアを出す”“アイツは行動力があるから信じられる”と同僚や上司に思われていれば、「さっきから黙っているけど、何か言ってよ」と声をかけられたりもします。そんな状況での発言には、周囲はみんな耳を澄ませて聞いてくれます。英語が分かりにくければ、気を遣って簡単な単語で質問してくれたりもします。仕事の場ではみんな自分にメリットをもたらせてくれる人を大切にするのであり、英語の上手な人を大切にするわけではありません。
つまり、英語が上手であればみんなに相手にしてもらえるということは間違いであり、英語が下手でも自分に実力があれば周囲はむしろレベルを合わせてくれます。この本には「英語圏は移民国が多いので、外国人英語が当たり前」ということが書かれており、様々な国の出身者たちの「迫力」「根回し」「駆け引き」など人間的な魅力も面白く紹介されています。わたしが遭遇した実体験ともいくつか重なりました。


自分を磨くこと
英語の学習は必要であり、勉強のしかたについて書かれた本は沢山出版されていますが、語学は現実社会では道具に過ぎず、あまり考え過ぎる必要はありません。自分に実力や人間的魅力がなければその方が仕事についた時に苦労します。塾や部活で忙しいと思いますが、好きなこと、夢中になれることを大切に、自分らしさを追求してほしいと思います。