ことしの夏はたくさんの幼児たちが国内外から参加してくれました。最初は緊張していたり、周りをみてから行動したりが多かったとしても日に日に素直に自分の感情を出し始め、好きなことを自分で見つけていく頼もしい姿を見せてくれました。一週間、一ヶ月のうちにみるみる表情が豊かになり、「自分らしさ」を出してくれる中、ほぼ全員の子が「楽しい」と言ってくれて、日数や期間を途中で延ばす子も多くいました。海外から来た子たちも、それぞれ自国にいる時とは違う一面を発見できたようです。

頼もしく、輝く子どもの姿に出会えることは、大変うれしいことです。しかし、それはfirst classroomが「楽しい場所」だからではありません。「楽しい自分に出会える場所」であるからです。「楽しい場所」であるならば、別の子には「楽しくない場所」になります。「楽しい自分」は誰でもみつけることができますが、“自分で”探すしかありません。幼児教育者にできることはそのための一人ひとりに合わせた工夫と援助にすぎません。

入園をした子も、サマースクールに参加した子も、時間と共に喜怒哀楽が大きくなっていくことも毎年印象的です。大人は子どもの「喜」と「楽」ばかりを大切にしようとしますが、人間にとって「怒」や「泣(哀)」も大切な感情表出です。幼児期にそれを隠さなければならないような環境は健全とはいえません。強い個性を生み出すための飛び切りの笑顔、突き抜けたような喜びの感情を出せるようになるためには、必ずその逆である「怒り」や「泣き」の感情も伴います。生まれてまもない赤ちゃん(乳児)の姿を思い出してください。どちらの感情が先に芽生えるでしょうか。幼児もまだそれから4、5年しか経っていません。