保育現場では子どもの活動において「製作」という言葉がよく使われています。工作や粘土、折り紙などに幅広く使えて便利ですが、この言葉を使っていると、そもそも何のためにそれを行っているのかを保育者自身が忘れてしまい、完成だけを価値と見なすようについなってしまいます。幼少期の教育として必要とされているのは自分なりの「表現」であり、重視されるべきは一人ひとりの「過程」です。


園で協働を目的とした造形表現を行いました。年長年中グループは、ヘンゼルとグレーテルのお話をもとに、先生が子どもたちの間に入って一人ひとりからどんな表現をしたいか意見を引き出し、話し合いをしながら、「大きなお菓子のおうち」をつくりました。役割分担も子どもたちとの話し合いで決めました。

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年少グループは一人ひとりの絵画や造形表現を一枚の大きな紙のうえで先生が描いた図を共有しながら共同で表現を行いました。

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すべての表現活動において、重視しているのは出来上がった作品の見栄えではなく、それに向かい合った「一人ひとりの過程」です。職員は、全員のエピソードをメモするので表現活動をする時は大忙しです。活動中も大人(保育者)の応答的な関わりが大切であり、それによって子どもの新たな気づきにつながります。

新保育所保育指針でも示される資質、「学びに向かう力、人間性」を育むには、『過程』を大切にされる継続的習慣が必要です。著書「世界基準の幼稚園」では、“見栄えのよい絵を描かせない”という項目でその理由や実践を詳しく書きました。 “結果オーライ”で進めてよいのは大人になってからの世界です。過程を温かく見守られている子どもたちは、周りの友達の目を気にせず、自分に自信をもって表現します。


世界基準の幼稚園 6歳までにリーダーシップは磨かれる
橋井 健司
光文社
2017-10-17
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