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先日、クリスマス・コンサートを開きました。演奏をお願いしていたピアノの講師から開催直前に思いがけない相談がありました。「卒園生のIちゃんに演奏の機会を頂けないでしょうか」と。幼児期には率先して自分から手を挙げるタイプではなく、いつも誰かのあとに友達と一緒にやりたがるタイプの子。一体、子どもが出ないコンサートでソロで演奏するとは、どうしたことでしょう?しかも開催直前に。

当日、その女の子はかなり気を張って来るのかと思うと、まったく逆で、“立ち寄っただけ”のような様子と表情で現れました。そして「楽譜はいらないよ」と言って小走り気味にピアノに向かい、淡々と演奏を始めました。
その後ろ姿は、私には立派になった姿というより、その子が鉄棒や上り棒に黙々と向かい合い、遊び込んでいた時と全く同じに映り、とても驚きました。“(良い意味で)なにも変わっていない”姿。演奏終了後も、あまり達成感に浸るような高揚した感じはなく、もっと先を向いているように感じました。

興味をもった私は後で、その女の子が急に出演を決めた経緯をピアノ講師に尋ねると、これにまた驚きました。実は年末に遊びに来る“おばあちゃん、おじいちゃん”をピアノ演奏で喜ばせようとしたのがきっかけでスイッチが入り、意気込んで練習を始めたとのこと。それがあまりに見事だったので、偶々目前にあったコンサートで弾かないか聞いてみたら、本人が二つ返事でOKしたと。つまり、みんなの前での発表は「次いで」であり「後付け」だったということです。

“おばあちゃん、おじいちゃんを喜ばせたい”と思ったのは、評価してもらうためではなく、純粋にその笑顔で喜んでもらいたかったから、持っている「ラーニングゴール志向」と「没頭力」に火がついたのでしょう。コンサート(発表会)での演奏には“立ち寄っただけ”に映った私の直感は的外れではありませんでした。発表会は料理にたとえると、“メイン”としてではなく、“添えるもの”であった時、最も子どもを伸ばすのではないでしょうか。いずれにしても、幼児期にそれに慣れておくとアドバンテージがあるということはなさそうです。

何かをやりたいと思ったとき、成し遂げられるかどうかは、発表会があるかどうかではなく、「強いラーニングゴール志向」と「豊富なフロー経験」があるかが左右します。そして、すべての土台は愛着であるということ。著書に詳しく書いておりますので、一度読んだ方もまた冬休みにもう一度お目通しいただければ嬉しく思います。


子どもが祖父母さんへ抱く愛着の大きさも改めて実感しました。先日、お会いしたある保育園の40代の先生は「早く、おばあちゃんになりたい」と言っていて驚きましたが・笑、子どもに与える影響力は時に親を越えるものがあり、それを知っていれば歳を重ねることも楽しいかもしれません。


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世界基準の幼稚園 6歳までにリーダーシップは磨かれる
橋井 健司
光文社
2017-10-17
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