幼児教育とグローバル基準の保育

幼児のファンタジーな世界と無限の可能性。小さな発見やフローの積み重ねからイノベーティブな未来を創る。有能感を持った自立した人間として、生涯を通して学び続ける資質を持って成長できるよう、今しかできない幼少期の土台作りを支援します。

発達理論と幼児心理

言語表現で大切なこと

ショウアンドテルでは、年長と年中の園児たちが様々なものをお家から持参してスピーチするのですが、時々、“え~、そんなモノ持ってプレゼンするの~!(笑)”と思うことに出くわします。

先日、5歳の女児がプレゼンテーションに持ってきたものは、なんと“小さなホッカイロ”一つです。スピーチタイム開始の合図があると、ニコニコしながら「これは、ホッカイロといいます。。。この中には『砂』が入っているんです!そして・・・」と始め、カイロひとつでなんと約2分もお話し、聞いている園児たちも興味深そうに耳を傾けているという場面に遭遇しました。思わずの出来事に感動しました。

ところで急に話は変わりますが、以前から一度行きたいと思っていた知人が店主をするこだわりの割烹料理のお店に、先日、機会があって行ってきました。こだわりの食材と手間暇かけた料理はすべて絶品でしたが、もっとも感動したのは、店主が客のご機嫌をとったり、世間話はしないのに(笑)、よく話す(プレゼンテーションする)こと。食材一つひとつがどこで取れたもので、どんな保管や下ごしらえをし、水はどこまで汲みにいってきたものか等、塩一粒、しょうゆ一滴まで自分のこだわりについて細かく丁寧に言葉を添えていたことでした。私自身にも勉強にもなりました。

割烹 かのふ(恵比寿)
https://tabelog.com/tokyo/A1303/A130302/13043230/


さて、先の5歳児と大人の人を惹きつけるプレゼンテーションには共通項があります。それは、ものの説明をしているのではなくて、自分の驚きや感動、発見をしっかりと言葉にして表現していることです。日本では、自分がどう感じ、どう捉え、何とつながりそうか等を発表に添えるとマイナス評価をもらうこともあるようですが、社会、特にグローバル基準は全く逆です。ネットで調べればすぐに出てくる知識などを流暢に語れても、退屈なだけです。事実だけの話も面白みがありません。

ショウアンドテルで大切なことは、自分の驚きや感動、発見を言葉にできるかどうか。どんな内容でも自分の驚きや感動、発見を大人がしっかりと日常生活で受け止めてあげることが基本です。魅力的なスピーチ(言語表現)は決して場慣れではなく、日常生活の延長です。

最近、読み始めた本ですが、こちらも大変参考になります。保育者の皆さんにもおすすめです。保護者対応だけでなく、同僚や上司、部下に対しても、価値をきちんと表現し、伝え、理解してもらうことの重要性や努力のための手順がわかりやすく説明されています。価値を生み出すことにばかり向きあっているだけでは今の時代不十分ということですね。

『言語化力~言葉にできれば人生は変わる』
 

と、いう私も、昨年から2園の園長をするようになってからは日常の運営や雑務に追われる毎日で教育についてあまり言語化できておらず、ブログもほとんど更新せず、反省だらけです(笑)。良い刺激をもらったので、今年は幼児教育について、更なる発見や進化した考察を、もっと言語化することに時間を費やし、原点に戻りたいと思います!


<第3刷が配本されました>

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Driving force of growth

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年末に卒園生の5、6名が行事や活動を通じて遊びにきてくれた。

みんな、“もっているもの”が当時のまま輝いていて感動した。好奇心、勤勉性、集中力、表現力、そして思いやりと貢献力。変わるのは興味のある対象で成長は止まらない。

人間の脳と神経の発達は7歳ごろまでに成人の90%に達するといわれている。身につけたものは確実に将来への自分の柱となる。

きみたちは当時自分が輝けないと思った遊びや活動を拒んで大人を心配させることも多かったが、逆に温かく見守られて自分が輝ける場所を自分で見つけ、伸ばしていける能力を手に入れた。

異年齢クラスでは年長になると、空気を読めない低年齢の子たちとも上手くやらないといけないから常にストレスがある。きみたちはそれも乗り越え、リーダーシップに必要な寛容や余裕さえ身につけた。いまでは後輩のために貢献したいとまで行動できるようになり、自信ももっている。

「成長」とは学校で教わってするものではなく、自分の力をもって為すもの。自分を信じて、自分の輝ける場を。大人は周りと比べて一喜一憂せず、そんな姿を見守るサポーターであってほしい。



<第3刷が配本されました>



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片付け過ぎに注意!~前編~

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昨年のことですが、園児たちと公園にいき、周辺の雑草や草花がきれいに刈り取られている状態を見た時、5、6歳の女の子たちから「え~、これじゃあご飯がつくれないよ!」とがっかりする声があがりました。。。

 

こどもたちは普段から公園の真ん中で遊ぶことよりも、隅っこで遊ぶことを好み、よく雑草や草花をつんで創造的なごっこ遊びを、数人で意見を交換し合いながら楽しんでいます。真ん中の広いスペースよりも、端っこの方で宝探しをするように楽しんでいる子もいます。

 

端から端まで草花がきれいに刈り取られ、掃除が行き届いてツルンとむきだしになった地面は、こどもたちにとっては心地よくないようです。当然、虫もいなくなります。片付けが徹底されているという点で大人目線では評価されるのかもしれませんが、こどもからすれば殺風景です。公園は遊具で遊び、鬼ごっこをするだけの場ではありません。

 

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今年開園した新園に隣接する公園でも、今週、そろそろ赤色や黄色の落ち葉が増えてきたな~と遊びの展開を考えてワクワクしていると、見事なほどスピーディーに落ち葉が回収されて土しかない状態になっていました。(さすが、日本人というような取りこぼしのない見事な清掃ぶりです。笑)

 

一方、公園の整備については、常にごみを片づけてくれたり、暴風雨のあとにもすぐに倒木などを撤去してくれたり、衛生面や安全面では大変感謝しています。また、新園は大きな公園の玄関のような場所にあり、少し風が吹けば落ち葉が玄関に舞い込んでくるのでこれが大量になれば本当に掃除が大変だと近隣の方々の気持ちも想像はつきます。

 

ただし、です!イノベイティブな感性をつぶさず、将来の社会を担うこどもたちの教育的な観点から考えると、植物や落ち葉などの管理についてはもう少しルーズになってもいいんじゃないでしょうか~と思います。紅葉のきれいな落ち葉、ザクザク踏んで楽しめる落ち葉、次々と片付けないでくれ~!笑



<第3刷が配本されました>




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第3刷が決まりました「世界基準の幼稚園」

先々週、突然、一年ぶりぐらいに出版社からと連絡が入りました。「重版(第3刷)が決まりました!」という内容で大変驚きました。一回目の増刷から一年半近くたっており、もうないかと思っていたので大変うれしかったです。お読みいただいた皆さん、どうも有難うございます。

出版をしてよかったことの一つとして、理念や志を共有する「仲間」が集まるようになったことがあります。園も今年から2園となり、どちらの園も新しい職員を迎えてみんなで主体的に考え、動き、私では到底思いつかないような保育内容を展開してくれています。

これまでの園では個別スペースが創られたり、担任が子どもと徹底的に対話をしながらショウアンドテルなどは子どもたちだけで運営するようになったり、細かな配慮が行き届き進化しています。
また、新園については2、3歳児から毎日自分の言葉で表現をする機会を設けたり、当番の仕事をつくったり、環境を生かして雨の日でも普通にレインコートをきて自然散策をしたり、経験豊富な職員たちがきめ細かく、同時にダイナミックな保育を展開してくれています。

どちらの園も、新しい仲間の加入によって「世界基準の幼稚園」で書かれている時期よりも進化と発展をしており、職員によってつくられていく「続編」を、とても楽しみにしております。子どもたちも生き生きとしています。保護者の皆さんにおいても著書が出てからは特に共通理解も進むようになり、有難く思っています。

一方で、本が出てから“背負わなくてもよい”プレッシャーを職員たちがもつようにもなりました。仕事をするうえで程よい緊張感は大切なことですが、「もっと〇〇しなければならない」というプレッシャーをもつと、家庭での子育てでも同じですがやはりどこかで無理が生じてしまいます。。本に書かれていることは、決してオーディションで選ばれた職員がした保育の話ではなく、特殊な職員教育を施してうまれたものでもなく、地味な日常生活を愚直に積み重ねて生まれたものです。

壁というものは心の中にあるものですが、その壁を高くするのも低くするのも自分しかできず、これまでの私の仕事はどちらかという現場へのエンパワーメントでしたが、これからは調整や支援がメインではないかと、私自身も第3刷を期に人間として成長できるよう努力したいと思っています。

さて、昨日は京都から講師を招き、伝統文化に親しむ機会(三味線と能の世界に触れてみよう)を親子講座として設けました。こちらの講師を紹介してくれたのも、京都で本を読んでくれた教育関係者の方でした。伝統文化や食育、アートでも、本のおかげで理念を共有する様々な専門家とつながることができました。

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累計の発行部数は7,500部となりました。ここまで来ると、一万にたどり着くといいな~と少し欲が出てしまいます(笑)。まだ読んでいない方、ぜひお読みください!そして、ご友人やご家族へのプレゼントなどにもぜひお使い下さい~!!









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“Wonderful Fours(素晴らしい4歳)”の条件

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英語でイヤイヤ期のことを、Terrible Twos, Horrible Threesと表現し、対比的に4歳のことを ”Wonderful Fours”という言い回しがあります。

しかし、この“Wonderful Fours(またはFive)”のような喜ばしい姿は表面的なものであり、発達における”Wonderful Fours”やfiveは誰にでも自動的に訪れるものではありません。

マリア・モンテッソーリは、手指を使って難しい作業を克服することに満足感を示す子どもたちから無秩序で自分勝手な行為が消え、自分をコントロールできるようになるという共通の姿を見出し、それを「正常化」と名づけました。反対に、このような活動に集中できない環境で育つことを「逸脱」と呼び、そのような子どもは無気力で他人に依存的になったり、心理的な防衛の現象によって他人の考えを理解することを阻止したりする行動をとるなど、後の成長に大きな影響を与えると『幼児の秘密』で解説しています。

私が保育現場で抱いた実感もこれに共通しています。特に2、3歳児の担任には毎年「作品はつくらなくていい(年中になってからでいい)」「手指を動かす“運動”を中心に計画を」と、造形や絵画などの表現活動を通じては度々お願いします。

形や見栄えのいいものをつくれば、親にも喜んでもらえ、こどもにも大人の笑顔はよいものなので理解はできるのですが、モンテッソーリのいう「逸脱」は絶対に避けなければいけないものであり、そのためには手指をかなりしっかりと動かさなければなりません。

また、モンテッソーリは同著において「知性と結びついている真に特徴的な運動は…『手の働き』とことばです。身体の形態学においても、歩行の機能においても、この『手が自由になる』ことが人間の特徴です。」とも述べています。生物学に精通した彼女は、人間が人間として進化した由縁(サルやチンパンジーと違い人間に進化した理由)は手の働きがもとになっており、そこには人格をも形成する大きな秘密があると言っているのではないでしょうか。

彼女は「ひとたび逸脱が起こったなら、それを幼児期に取り除かないと、その人に一生ついてまわる可能性があります」と明言しています。学びや教育というものは後からでも学べるものもあれば、その時期にしか獲得できないものもあります。

6歳までの幼児期に何を優先すべきか。特に2、3、4歳は重要な時期です。私の考察では、「Wonderful 5または6」のために2~4歳は幼児期の中でも最も配慮が必要な時期です。 園ではもちろんのこと、家庭でも手指をつかった遊びをぜひ重視していただければと思います。

その一助にもなればと思い、“家庭でできる、手指をつかう遊び”の親子講座を6月の土曜日に設けます。ご関心がある方はぜひご参加ください。(どなたでも参加が可能です)


第4回 親子講座 造形・サイエンス遊び  6月8日(土)
http://innovative-sprout.com/archives/1074649237.html




幼児の秘密
マリーア・モンテッソーリ
国土社
2003-05-01




フロー体験 喜びの現象学 (SEKAISHISO SEMINAR)
M. チクセントミハイ
世界思想社
1996-08-01









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橋井健司。保育士・研修指導講師。新教育デザイニング株式会社 代表取締役。社会福祉法人の監事。

著書
「世界基準の幼稚園~6歳までにリーダーシップは磨かれる」
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